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沖縄本島一周サバイバルラン2015 回想記⑦

とりあえず平和記念公園を目標に走っては休みを
繰り返すが、想像以上にペースが上がってこない。
午前5時過ぎ、ようやく平和記念公園を通過して、
その先のコンビニで腹ごしらえ。
カップラーメンを食べる。
海風にさらされて、冷えた体に沁み渡る温もり。
ついでに段ボールを借りて横になり、
足の回復もはかる。
6時過ぎ、コンビニを後にして、
姫ゆりの塔を通過し、南波平の交差点を
左にそれて、小波蔵の交差点を目指す。

奥武山公園まではもう20kmを切っているのだけど、
ここから、喜屋武岬の平和の塔までを往復してこなくてはならない。
公称片道3kmとなっているが、どう考えてもそれ以上あるのは確かだ。
おそらく4km以上、4,5kmぐらいはあるんじゃないかと思う。
まあそれもここまで走ってきたらもう誤差の範囲でしかないのだけれど。

僕は明るくなってからの到着だったからいいけど、
真夜中にここを通過したランナー達には
心から敬意を表したいと思う。

沖縄南部一帯、特に、この喜屋武岬の辺りは、
言わずと知れた、沖縄線最後の激戦地だ。
戦闘により、玉砕により、多くの人命が失われた。
夜は明かりもない、心細い道を一人で走っていくなんて、
考えると少し尻込みをしてしまう。
しかも、道路はいたるところ工事中で
迷う要素はそこらへんにうようよしているし。

1時間以上かけて無事往復してきて、
再び小波蔵の交差点を通過。
また足の裏に激痛を感じていたので、
ここで10分ほど、最後の休憩を。
残り17km。時刻は8時30分。
残された時間は3時間30分。
アクシデントさえなければほぼ安全圏内だ。
さて、ここからは旅のクライマックス。
ラストスパートだ。

スパートとは言っても、気分だけで、
もはやスピードアップなど
できる気力も体力も底をついている。
カメさんみたいなペースでもいいから、
立ち止まらないように
淡々と一定のリズムを刻むことだけを心掛ける。

国道331号線に合流し、海沿いのバイパスを進む。
4回目の朝も、他の3回同様、憎たらしいぐらいいい天気だ。
9時を過ぎたころから、みるみる気温が上がるのがわかった。

気温とは対照的に、上がらないのが僕のペースだ。
あと少しという気の緩みからか、
足のありとあらゆる痛みが、大波となって押し寄せてくる。

それでも、長い間引き連れたこの痛みたちとも、
あと少しでお別れか。そう思うと少し感傷的な気分にもなる。

っていうのは嘘で、ゴール後、アドレナリンが切れた後の方が
もっと痛みが出てくるのは知っている。
それが日常生活に大きく支障を与えない範囲で収まって
くれることを祈るばかりだった。

苦しそうな走りを続ける僕のもとに
前方から一人サポーターが走って近づいてきた。
僕のところまでくると、踵を返し、そのまま伴走してくれた。
1、2、1、2.
掛け声をかけながら、一言二言、労いの言葉をくれる。
嬉しさのあまり、一瞬、体中から痛みが抜け、全身が楽になった。
さっきまで、あんなどん底のような走りをしてた自分が嘘みたい。

人間ってここまでメンタルな生き物なのか。
しばらく並走してもらって、ゴールまで絶対に
たどり着くことを約束して、また別れた。

小波蔵の交差点を出発して、ちょうど半分ぐらい進んだ頃、
最後の私設エイドが待ち構えていてくれた。
遠くから両手を上げて、

お疲れさーーーーん!

僕も両手でガッツポーズを作ってそれに応える。

ここからあと8、9キロ。
もう10kmは切っている。

100kmマラソンの時もそうだけど、
ラスト10kmというのは、やっと終わる、
という気持ちと、もう終わってしまうのか、
という気持ちが錯綜する。

ここまでこんなに苦しめられたんだから、
もちろん早く終わってほしいという気持ちが
一番強いことには変わりないけど、
でもどこかで、この非日常的、ファンタジー的体験に
終止符が打たれてしまうのを残念に思わない気持ちが
ないわけでもない。

那覇市外に近づくにつれて、多くの市民ランナーと
すれ違った。皆さん何とも元気な足取りなこと。
羨ましい。
あんな風に颯爽と、最後ぐらい走ってみたい。

指をくわえながら、とぼとぼとマイペースで
奥武山公園を目指す。
赤嶺の交差点までは那覇マラソンの最後と
重複してるコースだ。

ラスト3km。
ラスト2km。
ラスト1km。

最後ぐらい華麗なラストスパートを決めようと、
脳内モルヒネを打って(打ったつもりで)ギアチェンジ。

垣花の交差点でまた一人サポーターが
待ち構えていてくれた。

堅く握手を交わし、ゴールに向かって一緒に走り出す。

そのままスピードを落とすことなく、
沖縄国際ユースホステルまでまっしぐら。

多くの皆さんに迎えられてゴール!
70時間51分12秒に及ぶ
僕のサバイバルランがようやく終わった。

さっそく、完走メダル代わりのオリオンビールが
手渡され、一気飲み。
生きてるーーーーっ!って感じた。

続く


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  1. 2015/11/27(金) 08:16:21|
  2. 歌うアスリート

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