音楽catsuどう?

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沖縄サバイバルラン400km 回想記2016 その⑥

雨でずぶ濡れになっていたので、安波のエイドを出発するときには体は冷えてガチガチになっていた。安波小学校を過ぎての左カーブ。ここから長い長い登りが続いていることは知っている。1kmは優にこえ、下手したら2kmはあるのではないかというこの登り。勾配もけっこうエグい。こんな難敵ははなから相手にする気はなかったので、歩きとおす。体を温めるためにやや大げさに手足を動かしながら。登りきるとそこには束の間のフラットエリアが待っている。その中間あたりの左側にぽつんとある自動販売機。なんでこんなところにあるんだろうと、昨年思ったが、その場所から一歩も動くことなく、その自販機はやっぱり今年もそこに居た。ずっと独りぼっちで寂しかろうから、水でも買ってあげたいのもやまやまだが、安波のエイドからそんなに進んでないので、その必要もなかったのが残念だ。平坦な道はあっという間に終わり、だらだらとまたアップダウンが始まった。走れるところは走り、登りがきつくなったら歩く。この辺りは沖縄でも最大のアメリカ軍用地、北部演習場が広がっていて、その端に沿うように進んでいく。ヘリパッド建設問題で抗議活動が展開されている高江の集落付近を通過する。デモ隊、機動隊双方の車、テントが居並び、不気味な緊張感が伝わってくる。乱闘騒ぎの巻き添えは食いたくないなと多少身構えていたが、ほとんど人影もなく、杞憂に終わった。昨年、閉店ぎりぎりに駆け込んでお世話になった、夢欄(む~らん)の青看板が目に入ってくる。5kmほど手前からご丁寧に0.5km毎に置いてある。がんばって走っているつもりでも、全然スピードが出ていない。次の看板がなかなか近づいてこない。5km進むのにこんなに時間がかかっているということを痛感させられた。本当はお店の人に昨年のお礼を伝えたかったのだが、閉店時刻をとうに過ぎていたのでそれも叶わず。来年、2年越しに伝えられるだろうか?雨は降ったり止んだりを繰り返し、その度に雨具を着たり脱いだりを繰り返す。日が沈んでしばらくしても、幸い気温はそれほど下がらなかったので、寒さが気になることはなかった。ただ地面が濡れているので、気軽に腰を下ろしたり、横になって足を休めることもできない。休みたくても休む場所が見当たらないというのはちょっとつらかった。しばらく走ると車に轢かれた大量の蛙の死骸に出くわした。雨上がりの荒川の土手で大量のミミズの死骸を目にしたのと同じ光景だった。ヘッドライトの灯りをたよりに、つぶれた蛙をよけながら走る。ここでふと頭によぎった。餌となる蛙がこんなに路上にあったら、それを捕食するハブも寄ってくるんじゃないか。ますます道端で寝っころがってなどいられない。星も見えない、単調なやんばるの山道を、東村のエイドをただただ楽しみに進む。5kmほど手前からは下りだ。だけど東村は一気には近づいてきてはくれない。時速5kmをちょっと超えるペースが精一杯なので、どうしても小一時間かかってしまう。東村到着は午後10時50分。午後1時半に奥を出発して、10時間20分もかかっている。10時間以内でたどり着いて、少しでも多く貯金を作っておきたかったが仕方ない。10分ほど横になり、11時10分再出発。また山越えをして、30km先の辺野古を目指さないといけない。このままのペースでは辺野古到着は午前5時を過ぎてしまう。そうなるとそこから海中道路までの43kmを7時間以内でということになる。疲労もたまり、睡魔も股ずれもひどくなり、刻一刻と状況が悪化していく中、この関門を突破できるだろうか。一抹の不安がよぎる。いや、もはやもう不安しかないぐらいだ。でもまだ走れる以上、進まなくてはいけない。雑念を振り払い、いま目のまえの1歩1歩に集中する。海中道路まであと73km。残された時間は12時間と50分。


つづく
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  1. 2016/12/07(水) 09:46:06|
  2. 歌うアスリート

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