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沖縄サバイバルラン400km 回想記2016 その②

今年の作戦をざっくりいうと、暑い日中はあまり無理はせず、上りも無理はせず、そして怪我することなく、涼しくなった夜中を狙って、あまり寝ることなく淡々と進むというものだった。昨年、辺戸岬から奥に向かう途中で左ひざを痛めてからの230kmはほとんど満足に走れなかった。だから今年はなるべく長い時間ちゃんと走られる足を残しておこうというものだ。スタートしてしばらくはひと塊で進んだが、徐々にペースアップするトップ集団とは距離を保ってマイペースで行くことに。後からスタートした組の人たちに追いつき追い越されつつ、昨年の思い出なんかで談笑しながらゆっくりと走る。暑い。それにしても暑い。そして蒸す。温度計が一体何度を指していたかは知らないが、この季節はと言われたら、100人が100人真夏と答えるであろう気候だ。カトルスがどんどん汗で変色していく。暑さには強い方だと自負しているので、熱中症にならないように、水分、塩分の補給に気を配る。大したトラブルもないまま、第1CPの残波岬(35km地点)に到着。3時間50分。昨年より13分遅れ。まあこれは想定内。直前、5kmほどはハンガーノックになりかけて結構つらかったので、そのままがっつり30分ほど休憩を取る。私設エイドの沖縄そばがありがたい。景気づけに、泡盛の残波もロックで少々いただく。完走するぞ!のプラカードをもって完走祈願の記念撮影。心身共にリフレッシュしたところで、127km先の第2CP辺戸岬を目指す。残り時間は19時間45分。特に問題もないまま次の安冨祖のエイド(58km地点)に到着。7時間11分と昨年より50分遅れ。ちなみに昨年はここを全体の2位で通過したが、その後、辺戸岬までに眠くて辛くて結構な時間横になってしまったので、なるべく追いこまないを最優先に、なおかつ、淡々と距離を稼ぐことを念頭に置いて進む。ここまでだいぶ端折っている感じがあるが、特筆すべきことは本当にない。敢えていうなら熱中症に注意するぐらいで、この時点でいくつも不安要素を抱えているようではその先の闘いはとても厳しいものになってしまうだろう。もし、この時点で、何かトラブルが生じてしまったなら、残り300km以上のことを考えて、多少の時間を割いてでも、ちゃんと対処することが大切だ。(実はこの辺りで僕は爆弾を1つ抱えてしまうことになる。そして最後の最後までこいつのせいで満足に走ることができなくなってしまったのだ。)
 改めて分析すると、最初の24時間で162km進むというのは、決して楽勝なことではない。8月の神戸の24時間マラソンで162kmといえば、まあまあ上位の方の成績である。もちろんこれは24時間で終わり、の場合であり、沖サバの場合はまだ余裕で半分以上の距離が残っているのである。それを考慮すると、なかなか難しい言い方だが、8割ぐらいの力で、しかも1~2時間関門まで余裕をもって辺戸岬を通過できるぐらいのプランで臨むのが妥当なのではと思う。であれば、予期せぬトラブルに見舞われても、対処してなお多少のお釣りはくるはずだから。
 そもそも、沖サバというものはトラブルありき、のレースであることを忘れてはいけない。トラブルありき、というのは語弊があるかもしれないが、無傷での完走などあり得ないとは断言できる。無病息災の代わりに、一病息災を祈願するような気持ちで、何かしらのトラブルを抱えながらも、それでも悲観しすぎずることなく、どうしたらその局面を打開できるか、どうしたら次のCPまで、しまいにはゴールまで粘れるかを探り続ける孤独で地味な作業をただただ受け入れていくのみである。
 安冨祖から名護までの約17kmはほぼノンストップで進んだ。(ほぼ中間地点あたりのコンビニで納豆巻きを買って、それを歩きながら食したのみ。)途中、なんの木の実かわからないが、クルミ大の堅いものが歩道に落ちていて、結構無造作に踏んでしまった。ヘッドライトだけではすべてを回避するのは容易ではないが、踏みどころが悪ければ、ケガにも発展する恐れがあるので注意を払いたいものだ。9時半前に名護市内に到着。昨年は、入り口のスーパーで惣菜等を買って食べたが、今年は温かいものを食べようと、牛丼屋に入った。コンビニ以外で温かいものにありつけるのはおそらくここが最後であろうから。先客にOさんがいた。やはり考えることは同じようだ。大盛りのつゆだくにたまごもプラスした。塩分補給として、トン汁も飲んだ。胃が強いから大丈夫だと高をくくっていたが、終盤ちょっと苦しくなった。まあいい、また走り出して10kmもすれば自然と腹もすいてくるのだから。これぐらいは誤差の範囲だ。30分弱滞在して、本部半島一周へと向かう。ここから夜も深まり、本格的なナイトランの始まりだ。海洋博公園を過ぎたあたりで100kmを迎えるが、その手前名護市内を出たあと、10kmほど、真っ暗でコンビニも自販機もほとんどない区間を通過する。ここは初日の一つの山場だと思う。実際、100km前後でのリタイア者が昨年も今年も多かった。疲労もたまってくるし、睡魔が襲ってくる時間帯だし、そこに、さらにこの寂寥感がプラスされる。その状況で、辺戸岬までの距離がまだまだ50~60kmも残ってると思ったら参ってしまうのも分からないではない。攻めから守りに入ってしまったら、この本部半島の1周が壁として立ちはだかるだろう。1つの対策として、練習の一環にナイトランを取り入れてみるのをおすすめしたい。夜に対する不安を少しでも払拭できるのではないかと思う。
 海洋博公園を過ぎた所のコンビニで戦略的仮眠をとることにした。眠くてどうしようもなかったわけではないが、余裕のあるうちに早め早めにリフレッシュしておこうという作戦だ。コンビニの看板の土台に足を上げ、15分ほど横になる。落ちかけたときに、不審なシャーって音で目が覚める。まさかのハブ?眠気が一気に吹っ飛ぶ。アラーム要らずだ。すぐにそれは、水道管の軽い水漏れの音だったことがわかり胸をなでおろしたが、あまり心臓にいいものではない。再び眠りに落ちることは不可能と判断して、コンビニをあとにした。本部半島の先端は電照菊の栽培が盛んなところでもある。漆黒の闇の中に、ぼわーっと浮き上がる白熱灯の畑は、何とも幻想的な趣がある。どうぜぼやけてしまうのだろうと、写真に収めようともしなかったが、その光景に心奪われる僕の背後から、翼長1mはあろうオオコウモリがバサッと上空を通過して夜の森へ消えていった。
 107km地点、天底のエイドの通過は14時間58分と、昨年よりも90分遅れ。残り55kmを9時間。間に合わないという心配はないが、あとはどれだけ力を温存しつつ、どれだけ貯金をできるか、というのが大事なポイントになってくる。58号線に出てから、辺戸岬までがちょうどフル1本分、残り42km地点なので、まずはそこまでの13kmをこなしていく。


つづく




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  1. 2016/11/24(木) 15:15:08|
  2. 歌うアスリート

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